2022.09.12
毎日新聞

富士山で茶会 優美なお点前
八合目に移動式茶室
富士山の夏山シーズン終了(9月10日)を前に、「富士山頂茶会」(神道扶桑教富士山天拝宮、橋口建築研究所主催、毎日新聞社、NPO富士山クラブなど後援)が7日、山梨県側の吉田口登山道八合目にある烏帽子岩神社の特設茶室で行われた。
富士山頂近くの茶会は、山頂の浅間神社奥宮で催されたことがあるが、移動式の茶室を使った茶会は今回が初めて。
茶室は縦、横、高さが各1.8メートルで、ステンレスのフレームに、山梨県富士吉田市伝統の郡内織物の技術を使った撚糸を織り込んで製作された。
裏千家の森宗勇さん(45)が、岩の間から染み出た雪解け水を電熱器で沸かし、奈良伝統の赤膚焼の茶わんに注いで優美なお点前を披露した。
時折、雨が降る天候にもかかわらず、約50人の登山客が参加。
京都から来た飲食店経営の女性(47)は「またとない機会だと思って駆けつけた。想像以上に美しい空間で、本格的な茶会に驚きました」と話した。
フランス出身の男子大学生(22)は「茶事は難しそうだったが、初めての体験でとても面白かった」と笑顔で答えた。
茶室の設計者で、茶会を企画した建築家の橋口新一郎さん(49)は「富士山の恩恵に感謝し、その気持ちをお伝えするお茶会にしようと考えた。郡内織物に関わる方々にもお話を伺うことができ、とても勉強になった。今後も続けていきたい」と話した。