2021.11.01
江戸楽 151号

時代は戦後復興から高度経済成長へ。
今も東京観光のシンボルとして絶大な人気を誇る
東京タワーの完成は昭和33年(1958)。国産の材料と技術で建てられ、自立鉄塔(※)として完成当時世界一の高さ(333m)を誇り、戦後復興と高度経済成長の象徴として人々に元気を与えた。株式会社TOKYO TOWER史料室長の森勇己さんは、建設の背景にはテレビ時代の幕開けがあると語る。
「各局が電波塔を必要とすれば、効率面でも景観面からも良くない。そこで共同利用できる総合電波塔の建設が求められました。従来の電波塔は170mほどだったので、関東一円まで電波の届く、はるかに高い塔が必要とされたのです」
こうして産経新聞の創立者・前田久吉が中心となり、実業界や放送界から錚々たるメンバーが名を連ねる「日本電波塔株式会社」が設立される。設計を行ったのは名古屋テレビ塔、さっぽろテレビ塔などを手掛け「塔博士」と呼ばれた内藤多仲だ。
平成24年(2012)に電波塔としての主たる役割を東京スカイツリーが担うようになった後も、東京タワーは有事の際のバックアップ機能だけでなく、FM放送、中継用パラボラアンテナの設置等、現役の電波塔として活躍している。