森 宗勇 MORI SOYU

忠臣蔵茶会 一条恵観山荘・鎌倉2017

3月12日。
浅野内匠頭ご切腹の忌日を前に、忠臣蔵にもゆかりの深い一般財団法人茶道宗徧流不審庵の茶室・江月庵に於いて、フランスとアルジェリアで行った茶会の報告を兼ねた忠臣蔵茶会を催しました。
茶席の趣向はもちろん、昨年パリで行った忠臣蔵茶会の跡見。床に大石内蔵助の消息を掛け、大高源吾(子葉)が手作し、師匠の山田宗徧に贈った茶杓。内蔵助が世をしのぶ仮の姿で遊んだお茶屋、一力茶屋の茶碗、花岳寺に蔵之助が手植えした松皮の香合。待合には浅野内匠頭の消息や柳沢吉保の短冊を展示。そこへ時候の物も取り合わせた釣り釜で楽しみました。
第1席には、駐日アルジェリア民主人民共和国特命全権大使・ベンシェリフ閣下、渡辺元日本大使夫人、旧久留里藩主13代当主・黒田英志様、師匠の勢先生、森家資料調査会世話役で赤穂大石神社の 佐藤 誠学芸員、作家のもりい先生、詰めには、浅野内匠頭ご切腹の地に店を構え、切腹モナカで知られる新正堂の渡辺御夫妻をお迎えし、家内の点前により緊張の中で始まりました。
家老が殿様を招いてお茶を差し上げると言うこの事件、これだけでも江戸時代であれば家譜に載る出来事です。歴代に怒られそうですが、今日私は日本の国内では初めて、先祖の通称である16代森清太夫を称しました。
ベンシェリフ大使には当初、夕方の来駕を予定されていたが、急遽同時刻にサウジアラビア国王の来日があり、早朝の来駕を仰ぐこととなり、図らずも大使と藩主が同席と言うとてつもない高い席になった。
先祖が黒田直養子爵から拝領した煙草盆にアルジェリアの焼き物を煙草入れに用いました。
日本とアルジェリアには大変深い関わりがあると言う事をお話しいただき、なんと正座はイスラムの日常的な習慣と言う。40分に及ぶ席中、どなた様よりも綺麗に正座をされていました。
アルジェリアでも日本のように靴を脱いで家に上がり、ちゃぶ台を囲んで食事をすると言うスタイルが伝統的なのだそうです。
午後には職場のお茶仲間を。新潟、長崎、仙台から駆けつけてくださいました。
気づくかな?と思いながら仕掛けた室礼に気づいてくれて話で触れてくれるのはやはりお茶友ならでは。いづれ日を改めて批評を頂戴したいと思います。
そして、別席では親しくさせていただいている作家の方々をお招きしました。
朝日燒16世松林 佑典豊斎先生を正客に釜師長野 新先生、樂焼のHilotsugu Ogawa先生、京焼の杉田 眞龍先生、鎌倉彫の三橋 鎌幽先生、備前焼の木村 英昭先生、同門の内山先生に小林様、在間 文哉様、長野 珠己様、 そして詰を武井 いく乃先生にお願いしました。京都や岡山といった大変遠方から、たった30分の茶席のために駆けつけてくださいました。非常に恐れ多い事をした思いで、このような茶会は二度と行うことができないでしょう。誠に不相応な事です。これから少しずつできる限りのことでご恩返しをしていきたいと思っています。
何よりは水屋からバックアップをしてくれた社中の兄弟弟子の皆さん。
社中の全員が県外在住で100%アウェイな場所にもかかわらず、私の荷物の搬送やそれに至るまで細かいところまでを助っ人で駆けつけてくださいました。
また、新聞、雑誌、テレビの御取材を頂き、インタビューも受けさせて頂きました。
仕事柄、取材される側に立つのはあまりない事ですが編集点、ちゃんとできてたでしょうか。
最後に、今回の撮影はフランス遠征でも随行頂いていた写真家の依田 佳子さんにご無理を申し上げました。 おそらくお昼ご飯も返上で走り回ってくれたように思います。
速報で頂いた写真の数々をここにご紹介させて頂きます。
来年もされないんですか、と言うお声を本当に多くの方からいただきましたが、残念ながらこの規模のことはもう出来ません。
田村右京大夫邸の桜の如く、これを1日限りの夢とさせていただきたく、その夢を与えてくださった皆様に心より御礼を申し上げます。

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