Q & A
茶の湯Q&A茶道にまつわる質問をまとめました。
これまでのお稽古でよく尋ねられることや、SNSを通じてお寄せいただいたご質問にお答えしています。
(注意)・こちらでお答えしていることは、必ずしも正しいとは限りません。
現在茶道を習っておられる方は、必ずその先生のお考えに従ってください。
以下の内容に関することはお答えできません。
お点前に関すること。
他のお稽古場やお師匠様に関すること。
特定の個人や団体を対象とするご質問。
回答にはお時間をいただく場合や、お知らせなくお答えを見送ることがあります。
茶道基本
子ども(小学生)が茶道を習う場合、気を付けることはありますか。
先生にお任せするのが一番だと思います。
ですが、親御さんのほうであらかじめ、
・壊れやすいお道具だから気を付けて。
・先生の言うことをよく聞いて
・大人と同じことをするんだからね
とだけ、お子様に言っていただければよいと思います。
掛け軸やお道具、花入など、どのように勉強すればよいですか
茶道を習っておられる方であれば、先生にお尋ねされるのが一番ですが、そうでない場合、掛け軸はできるだけ数を見ていただくこと、読めない文字は遠慮なく持ち主にお尋ねなさるのが良いです。博物館などで見る場合は、文字が訳されていることがほとんどですので、気になった作品は書き留めておくなどをしてもよいと思います。
お道具は、できるだけ多くのお茶会を見ていただくのが良いと思います。
作品と名前が一致してくるようになったら、月間淡交の会記などをご覧になられるのもよいかと思います。道具組には流儀によってそれぞれお約束があるので、そうしたものは先生にお尋ねされるのが一番です。
花入は素材によって敷板の形状が異なりますので、こうしたものはテキストを参考にされるとよろしいかと思います。お花の名前や種類についてはやはり茶花の書籍が一番です。
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茶道を始めて1年弱の大学生です。学生がお茶会に参加しても大丈夫なものでしょうか。
お茶会はぜひ参加してみてください。初めてうかがうものであるならば、目安としては500円から3000円くらいのもの、規模がお勧めです。
ただし、本当に初めていく場合は、
・着物でいかない→これは着物にはTPOがあり、着ていかれるお着物によっては恥ずかしい思いをしてしまう場合があります。初めてのお茶会なら地味目のワンピース男性ならスーツで十分です。白い靴下を持参し、会場についたときに履き替えるとよいでしょう。何回か行くうちに、周りの方のお着物についても参考になると思います。
・お席の前のほうにはいかない→正客という、最前列のお客様になってしまうと、いろいろな役割を求められることがあります。初めて行かれる場合はできるだけ後ろのほうにいて、その方お動き方を学んでおきましょう。うっかり前のほうに行かれると勧められて断れない状況になってしまうことがあります。
・貴金属(指輪・ピアス)はつけていかない→これらはお茶道具を傷つけてしまう可能性と、そうされてしまう印象を与えてしまいます。会場で外すにしても紛失してしまうことがあります。そういうことにならないよう、あらかじめつけていかないことをお勧めします。うっかり着けて会場に行ってしまった場合は、財布などにしまうのが良いでしょう。
姿勢が悪いといわれ、そして手順が覚えられません。どちらを優先すべきでしょうか。
私もすごく姿勢が悪いといわれました。親からも先生からも上司からもです。
しかし、いわれているうちが華とも言います。写真を見て気づき、直すように努めていますが、なかなか治りません。
姿勢が優先、ということはないと思いますが、人前でお点前をするとき、どうしても一番最初に目が行くのは亭主の姿勢です。この機会に克服しましょう。
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久しぶりにお稽古に行ったら正座がつらくて大変でした。何か良いコツはありますか。
正座はなられることもありますが、少し間が空いたりすると、慣れないこともあります。というのも体重の微妙な変化や気圧の違い、また体調によっても痺れたり痺れなかったりします。普段から背筋を伸ばし、体の重心を時折やや前のほうに倒すと、足への負担が軽くなります。 またお風呂にシッカリ浸かり、マッサージもよいと思います。
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膝が悪く、どうしても正座がつらいのですが、茶道を始めることは難しいでしょうか。
無理をしないでください。体が痛いと言っていることは生理的なメッセージでもありますので、それを我慢すると、取り返しのつかないことにもなりかねません。
江戸時代ならいざ知らず、現在は海外でも茶道が普及していて、椅子式のお点前もあります。これを立礼式(りゅうれいしき)といい、裏千家の正式なお点前の一つになっています。また、和室においても、掘りコタツ式に足の部分が掘り下げられた和室もあります。茶道は雰囲気を楽しめるところから始めるのが一番です。立礼のお点前ができるお教室も多くございますので、そうしたところをお探しになるのもよいかと思います。
家で抹茶が余った際、冷蔵庫、冷凍庫、室温のどの保存方法が良いですか。
厳冬期における数時間を除いては冷蔵庫をお勧めします。
お茶は庫内の匂いを吸収する性質が高いので、長期保存は冷蔵庫のにおいがお茶についてしまいます。一緒に他の食品を入れないのもコツです。できれば抹茶専用の冷凍庫を、、、と思いますが、家庭の場合は難しいですね。
冷凍庫で3か月、冷蔵庫で2週間から最大1か月くらいを目安にされてください。
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感動してもらえるくらい、おいしいお抹茶を点てるコツはありますか。
私の場合ですが、最初は茶碗の底に沈んだ抹茶を茶筅起こします。
音としてはカシャカシャといいます。次に茶筅を浮かせて水中で振ります。この時の音としてはバシャバシャという音に代わります。次に水面で茶筅を振ります。この時は無音になります。最後に大きく「の」の字を書いて、大きな泡を茶碗の周りに寄せて泡を潰します。
言葉に書くのは簡単ですが、実際はそんな簡単ではないかもしれません。
しかし、ある日突然コツはやってきます。経験あるのみです。
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赤楽茶碗や絵付けの黒楽茶碗ではお濃茶は飲まないと習いました。薄茶だけなのでしょうか。
ご流儀や習われている先生の御考え方があると思いますので、必ずしも正しい回答ではないという前提でお答えします。
濃茶は薄茶に比べて大切な飲み物であり、薄茶は気軽な飲み物ととらえる節があります。これが根っこにあると考えた場合、濃茶は特別なお茶碗でいただくということになります。特別なお茶碗とされるのは例えば唐物や高麗、唐津、萩、瀬戸、そして楽茶碗です。楽茶碗は千利休が考案した茶碗とされるので、高麗を参考した唐津や萩とは違い、純日本のコンセプトで考えられた国産の茶碗。熱いものを入れても手が熱くなくいただける設計になっています。このため、千家流ではもちろん使いますが、他流派では楽茶碗を用いないとするご流儀もあります。
裏千家の場合ですが、黒樂も赤樂も濃茶に使います。
ただし、筒茶碗や馬盥形のような特殊な形状や、絵が描いてある茶碗は濃茶には用いません。理由は諸説あると思いますが、濃茶という大切な飲み物をいただくのに茶碗に主張があると、せっかくのお茶がそちらへ意識を寄せてしまうからだと思います。
主役が薄れるのを防ぐため、だと私は思っています。
自分に合う先生、お教室の探し方
これは、足で探すしかないと思います。
友人や知人に紹介をいただいて入るお稽古場は、もしご自分が合わなかった場合、紹介していただいた方への遠慮の気持ちも出てしまうでしょう。たくさんリサーチをされ、気になったお稽古場へお問合せされるのがよろしいかと思います。
何もかもが初めての、知らない世界に入るわけです。
自分に合う、というよりは、合わせる、という気持ちを持たないと難しいかもしれません。
もちろん、お稽古時間や場所、お金などの物理的、経済的に難しい場合もございますから、お問合せをされるなど、ご自分で探されるのが一番だと思います。
これから茶道を始めたいという人の背中を押すようなお話を聞かせてください。
茶道は日本の文化がすべて入っています。
書道を習ったら書が上手になって終わり、お花を習ったら、美しいお花が生けられるようになって終わり。
しかし、茶道は、書道もお花も、お香も着物も、日本食も、能も歌舞伎も狂言も、そして工芸もと、あらゆるものが必要になる情報文化です。
そして習う人が年々減っています。これは茶道に魅力がないから減っているのではなく、教える人が減っていたり、茶道に触れる機会が減っているのが理由です。初めて見ると判りますが、これほど魅力のある文化、趣味はありません。
そういう、今の時代に習い始めると、将来貴重な人材になれる可能性が高いです。
お道具も飽和状態です。50年前は簡単に手に入らなかった道具も、今は思うがままに手に入る時代になりました。
昔の人なら大変な思いをした道具で、お茶ができる。とてもいい時代かもしれません。
ぜひ始めましょう。
年々正座がつらくなって参りました。おすすめのケアがございましたら教えてください
それはお辛いですね。私もいつか通る道だと思っています。
無理をされないのが一番だと思います。お風呂などで血行を良くされ、よく歩かれる先生が多いように見受けられます。
男性は帛紗(袱紗)を使わずに釜の蓋を開けますが、熱いときは使ってもよいですか。
もちろんです。
安全第一だと思いますので私の稽古場ではそのようにします。
南鐐(銀)の蓋は、男性でも帛紗を使います。
これは私の考え方ですので、ご指導をされる先生のご指示に従ってください。
許状を持っていないことで、許状を持っている人から自慢をされました。
ご流儀によって様々だと思いますが、裏千家の許状はあくまでも「習うことを許可される書状」です。
その取得には進級試験はありませんし、申請の判断は習われている先生の一存です。
だからと言って、現在習っている科目が満足にできないうちに、安易に申請をさせてしまうようなことがあれば、先生の資質を疑われてしまいます。お家元も自慢させるために発行しているのではないと思います。
許状の資格をご自分で表明するのは履歴書、もしくは茶道指導をお仕事にされる方くらいです。
それ以外で許状資格を自慢して外で言い歩く人を私はあまり見たことがありません。
茶室に在釜と書かれている場合、気軽に入ってもよいものですか。
文字通りにとらえれば「よい」と思います。
ただし、お茶席の準備をせずに見かけた場合に入れるかというと、持ち物はなくても相応しい装いであるかどうかは配慮したほうがいいでしょう。例えば香水、ネイル、ジーンズや、肌露出の多い服であるなら、ご遠慮される方がよろしいと思います。
これは、お席主の方はよいと仰せでも、そのお茶席のために配慮してこられたお客様(相客)への気遣いとなります。
また、すでに予約や前売りで満席となっていても、お茶席の目印として掛けている場合もあります。
所作について
今の季節に合わない早い花が咲いてしまいます。季節の変わり目に使う花で気を付けることはありますか。
私は本質でとらえられればと思っています。
お花あってのお茶か、お茶あってのお花か、です。
昔は旧暦でしたから、現在の暦で考えるとお花は早いイメージがあります。
例えば、忠臣蔵で知られる浅野匠内頭が辞世を詠んだのは3月14日。桜の花が散る様子を詠っていますが、東京で3月半ばはまだ桜は開花してません。
きれいな茶花がもし目の前にあるというのであれば、それを使ってはいけないという理由はないと思っています。一方で、道具は季節を先取りといいますが、お花はそうはいきません。
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練り切り菓子は一口食いや一気飲みはやはりNGでしょうか。
食べ方は自由だと思います。ただし、周囲に不快感を与えるような召し上がり方は避けたほうが良いと思います。何より、出してくださった方に感謝をし、その景色を楽しみながらいただくものだと思います。お稽古では、たべられるさいずに切っていただく、と教えます。
菓子切を持たない流儀もあるので、そうしたところは懐紙に乗せて口へ運び、上手に召し上がっておられる方もおられます。
初釜のお着物についてお考えをお聞かせください。(習っているところでは紬以外といわれております)
一般的には、
訪問着、付け下げ、色無地が良いと思われます。
織のものや紬は避けるように言われていますが、格調高い紬は例外、とされる場合もあるようです。
個人的には、
通常のお稽古であれば、紬でお越しになられてもよいと思います。
但し、お茶事や初釜といった、亭主側の念入りなお席では、お招きを受ける側の立場として知連れにあたってしまうことがあるので、その場合には洋装で伺うのもよいかと考えます。
習っておられる先生がおられれば、必ずお尋ねし、そのご指導に従ってください。
茶室に在釜と書かれている場合、気軽に入ってもよいものですか。
文字通りにとらえれば「よい」と思います。
ただし、お茶席の準備をせずに見かけた場合に入れるかというと、持ち物はなくても相応しい装いであるかどうかは配慮したほうがいいでしょう。例えば香水、ネイル、ジーンズや、肌露出の多い服であるなら、ご遠慮される方がよろしいと思います。
これは、お席主の方はよいと仰せでも、そのお茶席のために配慮してこられたお客様(相客)への気遣いとなります。
また、すでに予約や前売りで満席となっていても、お茶席の目印として掛けている場合もあります。
御園棚での水指ですが、美しい絵付けの面をお客様側に向けるのはルール違反ですか。
そうなんです。
畳の点前座を思い浮かべてください。
御園棚のお客様側というのは本来はお点前座で言うと裏側なのです。
明治になって、テーブルでお茶を点てましょう、となり、点茶盤が考案された時も、お道具の正面は亭主に向いていました。
御園棚はこの系譜を引き継いでいますが、御園棚ではほとんどの場合が点前座の向こうにお客様がいます。
ですが、立てているお茶碗は正面を亭主に向けていますから、釜も水指もこれと同じでなくてはいけません。
お点前が終わって、拝見の時にクルっと向けられるのがいいと思いますが、これもあまりしません。
ただ、最も適しているのは、どこが正面でも困らないデザインの水指を置かれるのが一番です。
衛生面について
お道具を清める袱紗ですが、清潔とは思えません。どう解釈するとよいですか。
常にきれいな袱紗をを持ちになることが、お客様の目線からも不快感を与えないかと思います。ご自分の袱紗が衛生的ではないと思われたら、その時が交換の時期です。折れ目が強く入ったものもあまり好ましくないと思います。
そしてお点前で行う、清める所作はあくまでも所作であって、実際は裏方の水屋で清浄に整えられたものが準備されているわけですから、お点前で完全にきれいにするという考え方ではなく、これはお客様の前で念のために行う衛生作業ととられるのがよろしいかと思います。そのお客様の目線から衛生的ではないと思われてしまったら、元も子もないことだと思います。
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茶筅をすすいでもタオルで拭うと薄くお抹茶がつきます。シッカリきれいに洗うにはどうしたらよいでしょうか。
指を入れて、一本ずつしっかり拭い洗うのが良いと思います。
それでも色がくすんできたり、衛生面が気になるようになったら、交換時期だと思います。
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なぜ男性だけ、帛紗(袱紗)を使わずに釜の蓋を開けるのでしょうか。
もともとが素手だったのではないでしょうか。
ジェンダー平等の現代には逆行する考え方ですが、本来の茶道は男性中心の社会で培われてきたものでした。客の前でわざわざ茶入を清めたり、茶杓を清める所作には、その物品が清浄であることの証明行為であるとも捉えられています。
毒を入れられたり、後ろめたい行動をとれば、その行動に不審さが浮き彫りになります。
茶釜についても同様で、あらかじめ熱さが想定できている覚悟を求められたと思われます。もっとも、良質な釜の蓋は摘まみの部分が熱源との接点を小さく作られているので伝導率が低く、素手で持っても熱くないとされます。また、南鐐(銀)のような伝導率の高い金属は男性であっても帛紗を用いることとしています。何よりも安全第一だと思いますので、わたくしのお稽古場では熱い場合は無理せずに帛紗を使ってもよい、というように指導しています。お稽古をされるご流儀やお師匠様によって異なることがありますので、あくまで私見としてとらえてください。
棗に入れた抹茶が少なかった場合、新しい抹茶を開けて混ぜてもいいですか。
お勧めしません。
抹茶は茶葉の部位や品質、地域や製法によって微妙に風味が異なってくるものです。同じ銘柄で、賞味期限が同じ頃の袋であれば、補充という意味での混ぜることは致し方がない場合もありますが、それでも、古い抹茶は空気に触れた機会も多く、酸化が進んでいます。
古い抹茶が先に無くなるように工夫し、新しい缶に戻すようなことは避けてください。
別の銘柄を混ぜることは、風味を変えることになりますので、おいしくなくなる恐れがあります。
海外について
海外の方に、「千利休とは?」と質問されました。利休さまをどう説明なさっていますか。
あくまで私の私見ですが「茶の湯の大成者」という表現に努めています。
たとえるならば、その国で知られている創始者や巨匠に例えればいいと思います。
フランスなら、古典喜劇を創始したモリエール、ドイツならバロック音楽の巨匠・バッハとか。
ベートーベンは日本語で「楽聖」という言葉がありますから、「茶聖」といわれる利休居士をこれに当てても間違いではないと思いますが、何も知らないところから始まる方へむやみに崇めさせるような表現は厳に慎まないといけません。茶道は宗教ではありませんから、そのように受け取られてしまうと、訂正が難しくなってしまうことがあります。
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海外の方に茶道を紹介する際に一番気を配られている点は何でしょうか。
とにかく張り切らないこと。だとおもいます。
茶道のお点前は、その厳かに見える所作から、外国の方にも鑑賞やリラクゼーションの対象として見てもらえる節があります。
そう感じてもらえることはよいことですが、問題直は、必ずしもすべての方がそのような目線で見ているわけではないということです。張り切って大仰に見せようとすれば、それはどこか宗教的なものとなり、伝えたいことが曲がってしまいます。
まだコーヒーや紅茶とは違い、一杯のお茶ができるまでのプロセスが10分以上かかるわけであり、人によっては見飽きされる恐れもあります。
できるだけ気張らず、日本で不通にお点前をしているのと同じ感覚を以て、いつものようにお茶を点てることが大切だと思います。
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日本と海外ではお水の水質が違うと思います。お抹茶でその違いは感じられますか。
軟水を使われるのが一番ですが、欧州の場合は硬水が多い国ですので、日本から持っていき、無くなった場合は現地で軟水、または軟水に近い水を探してくることが多いです。傾向としてはヴォルビックがちょうどよいと思います。
硬水でお茶がたてられないわけではありませんが、若干の泡立ちが悪い気がします。また、多量の石灰分を含みますので、釜の中で浮遊した石灰質が茶碗に入って悪さをしないとも限りません。もちろん、釜も痛めてしまいます。できるだけ軟水をお使いになることをお勧めします。
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茶道教室がない国に教室を作りたいです。誰から相談を始めるのが良いでしょうか。
茶道教室は届け出制ではないので、(事業許可や教育許可、飲食系の許可が必要な国はあります)その国の法律や条例を確認しつつ、ご自分の習われた先生にご相談をされながら進めていくのが良いと思います。募集については現地の日本人会や商工会議所、日本大使館の領事部カウンターなどにパンフレットを置いてみるのが良いと思います。そこには日本に興味のある方だけが来られますので。頑張ってください。
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海外でお点前をされるとき、日本と同じ環境、まったく同じお道具でない場合は、臨機応変に対応されますか。
最初から日本と同じことをしようと思わないのが良いです。
これはかつて、多くの茶道書籍を執筆され、日本の茶道界で大変著名な方から直接ご指導をいただいたことですが、「森君ね、日本で行うことと同じことをやっちゃだめだよ」というものでした。「どんなに日本のお茶道具で固めてお茶席を作っても、窓を一つ開ければそこは外国の風景であることを忘れちゃいかんし、日本の古い道具を用いたところで、何も知らないところから経験いただく人に、その感動は伝わりっこない。ということでした。」
それからは、当地の工芸品を見立てて使用し、その国の人に自分の文化圏にあるものを身近にしてもらいながらお茶を楽しんでもらうようにしています。我々も外国の知らない文化に接したとき、そこに代用ではあれ、日本の文化にあるものが一つ使われていたら、親近感がわくのではないでしょうか。そしてとても印象に残る思い出になるはずです。
つまり、臨機応変も大事ですが、お茶会というものはもともと想定しながら望むことでもあるので、応用力が鍛えられます。
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海外(特にフランス)で和菓子が手に入らない場合、洋菓子で代用するのもありですか。
もちろんです。
フランス人のお客様としては和菓子を期待され、希望されるかもしれませんが、そのために無理やり日本のお菓子(例えばお煎餅とか)にされると不自然になってしまうこともあると思います。お土産で日本から運んだお菓子は(輸送の手間がかかっているという意味で)理想的なおもてなしですが、現地のお菓子を用いられてもよいと思います。例えば、マカロンやフィナンシェは合うと思います。
パリには腕の良い和菓子職人さんがおられますから、そうしたところで分けてもらってもいいですし、フランスで手に入る食材でご自作もよいと思いますが、その地のお菓子を用いることもまた、その国の方へのリスペクトに繋がるのではないでしょうか。
どこの国で茶道が広まっているか。
私見ですが、フランスは顕著だと思います。
隣国のスペインやイギリス、ベルギーに比べると格段に興味が違います。
地中海を越えたお向かいのアルジェリアに行くと、抹茶はほとんど知られていません。
フランスで抹茶が人気なのは、お菓子やお料理に多用されているからかもしれません。
もちろん、茶道を習っている方もとても多いです。
海外に茶道具を持っていくときに気を付けること
沢山ありすぎて書ききれないです。
例えば
雪駄と着物一着、そして1回分の下着は必ず機内持ち込みします。
これは、ロストバゲージを覚悟しないといけないからです。
象牙製品に注意です。
茶道具には象牙が使われています、茶杓や茶入の蓋は検査官もよく知っていますから、注意です。
火箸は凶器です。機内に持ち込むと没収されます。
アイスピックと同じと思っていただければ。茶箱は機内に持ち込みたいと思う方が多いと思いますが、茶杓と火箸は特に気を付けてください。
アフリカ線では、陶器も機内持ち込み禁止。
相当戦いましたが、機内で割れば刃物になるので駄目だということです。
受託荷物のカウンターで、重量を撮影しておく。
受け取ったときに軽くなっていたりすることがあります(中身の窃盗)
撮影しておくと証拠になります。カギは壊されても保安上の理由にされ、保証されません
あと、これは茶道具ではないですが
パスポート紛失に備えて、3か月以内の戸籍謄本と住民票を受託手荷物の奥底に入れておきましょう。
今はコンビニで出せる時代なので、お守り代わりにぜひ。
再発行手続き(帰国のための渡航書)で、必要になる書類です。これがあるだけで1-2日早く発行されます。
その他
茶道をしてきて一番印象深かったことは何ですか。
出会いだと思います。茶道を始めてももうすぐ30年になろうとしていますが、茶道をしていなかったら観れなかった世界、出会わなかったであろう人が、あまりにも多いです。人生って、こんなことで大きく変わるものかと、毎日のように振り返ります。
茶道をやっていなかったら、たぶん私は今もテレビの世界(前職は番組制作の仕事をしていました)をしていたと思います。そう、今となってはあの世界に戻りたいとは思わないですね。そういうものがお茶にはあったと思います。
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お茶時で亭主をしていて、好きな場面は何ですか。
お手紙です。 茶事でも初釜でも、そしてお茶会もそうですが、終わると参席者や生徒からお礼状が届きます。
すべて終えて、お客様を送り出した数日後のことではありますが、このお手紙の内容が私にとっての亭主採点だと思っています。
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お道具について
骨董のお茶碗を探しているのですが、どのような場所で素敵な茶碗と出会うことが多いでしょうか。
訪ねた先で突然出会うことが多いですね。ここで!という特定の場所はないようです。一度であった場所にもう一度行っても、釣果はないことが多いです。
パリの骨董市で見つけた江戸期の古薩摩香炉に出会ったことがありました。店主は価値を知らないようで、ホテル一泊分くらいの値段で譲ってくれました。その際に余計なことを言ってしまうと、値が上がってしまうでしょうね。店主によって新聞紙で雑多にくるまれ、セロテープでぐるぐる巻きにされて手渡されましたが、ホテルに帰って、大切に養生したのは言うまでもありません。
帰国後、蓋と仕覆と箱を作りました。正直こちらの方がお金がかかりましたが、骨董との出会いはいつもこういう感じです。
職場にあった茶碗がカビくさいので処分しようかと思っています。対策はありますか。
そのお茶碗を完全に乾かし、米櫃に2か月くらい埋めてみてください。
不思議なくらい匂いが取れます。もちろんお米も召し上がれます。
カビ臭さは、乾燥させないうちに箱にしまったり、布にくるんだりしてしまったのが原因です。
使用後は、最低1週間は干しましょう。
御園棚での水指ですが、美しい絵付けの面をお客様側に向けるのはルール違反ですか。
そうなんです。
畳の点前座を思い浮かべてください。
御園棚のお客様側というのは本来はお点前座で言うと裏側なのです。
明治になって、テーブルでお茶を点てましょう、となり、点茶盤が考案された時も、お道具の正面は亭主に向いていました。
御園棚はこの系譜を引き継いでいますが、御園棚ではほとんどの場合が点前座の向こうにお客様がいます。
ですが、立てているお茶碗は正面を亭主に向けていますから、釜も水指もこれと同じでなくてはいけません。
お点前が終わって、拝見の時にクルっと向けられるのがいいと思いますが、これもあまりしません。
ただ、最も適しているのは、どこが正面でも困らないデザインの水指を置かれるのが一番です。
抹茶について
棗に入れた抹茶が少なかった場合、新しい抹茶を開けて混ぜてもいいですか。
お勧めしません。
抹茶は茶葉の部位や品質、地域や製法によって微妙に風味が異なってくるものです。同じ銘柄で、賞味期限が同じ頃の袋であれば、補充という意味での混ぜることは致し方がない場合もありますが、それでも、古い抹茶は空気に触れた機会も多く、酸化が進んでいます。
古い抹茶が先に無くなるように工夫し、新しい缶に戻すようなことは避けてください。
別の銘柄を混ぜることは、風味を変えることになりますので、おいしくなくなる恐れがあります。
初心者おすすめ、お抹茶の種類は?ベテランだからわかるお抹茶のおいしさとは?
一般に単価が高いものが甘味があり、単価が低いものは渋みが強い傾向があります。
濃茶に用いるのは前者、薄茶は後者、特に渋みが強いものは料理用とお考え下さい。
やや渋みはありますが、初めて薄茶で経験されるのであれば、「さみどり」あたりをお勧めします。
濃茶に用いる抹茶は、濃茶はもちろん、薄茶にも料理用にも使えます。
それぞれ用途に合ったおいしさがあります。
でも、
大は小を兼ねるので、そのおいしさを発揮できているかというと、そうではないようです。
せっかく甘味を感じる高級な抹茶に、牛乳を入れて砂糖を入れてしまったら。
それはおそらく料理用の抹茶に砂糖と牛乳を入れたものと同じ風合いになっています。
抹茶の値段差は何の違いでしょうか。お茶屋さんでもいろいろな価格帯があり、悩みます。
抹茶にもランクがあり、積んだ葉の場所(若い葉か、育った葉かなど)や生産量によって、生産コストが変わってきます。一般的にランクが高いほど甘味があり、ランクが低いほど渋みが出る傾向があります。主に前者が茶道用、後者が製菓や加糖飲料用です。
スーパーのお茶売り場で、30g1000円とかで売られている常温の抹茶は、お料理向きです。飲めないわけではないですが、苦みは強いかもしれません。