森 宗勇 MORI SOYU

海外でお点前をされるとき、日本と同じ環境、まったく同じお道具でない場合は、臨機応変に対応されますか。

最初から日本と同じことをしようと思わないのが良いです。

これはかつて、多くの茶道書籍を執筆され、日本の茶道界で大変著名な方から直接ご指導をいただいたことですが、「森君ね、日本で行うことと同じことをやっちゃだめだよ」というものでした。「どんなに日本のお茶道具で固めてお茶席を作っても、窓を一つ開ければそこは外国の風景であることを忘れちゃいかんし、日本の古い道具を用いたところで、何も知らないところから経験いただく人に、その感動は伝わりっこない。ということでした。」

それからは、当地の工芸品を見立てて使用し、その国の人に自分の文化圏にあるものを身近にしてもらいながらお茶を楽しんでもらうようにしています。我々も外国の知らない文化に接したとき、そこに代用ではあれ、日本の文化にあるものが一つ使われていたら、親近感がわくのではないでしょうか。そしてとても印象に残る思い出になるはずです。

つまり、臨機応変も大事ですが、お茶会というものはもともと想定しながら望むことでもあるので、応用力が鍛えられます。

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