森 宗勇 MORI SOYU

なぜ男性だけ、帛紗(袱紗)を使わずに釜の蓋を開けるのでしょうか。

もともとが素手だったのではないでしょうか。

ジェンダー平等の現代には逆行する考え方ですが、本来の茶道は男性中心の社会で培われてきたものでした。客の前でわざわざ茶入を清めたり、茶杓を清める所作には、その物品が清浄であることの証明行為であるとも捉えられています。

毒を入れられたり、後ろめたい行動をとれば、その行動に不審さが浮き彫りになります。

茶釜についても同様で、あらかじめ熱さが想定できている覚悟を求められたと思われます。もっとも、良質な釜の蓋は摘まみの部分が熱源との接点を小さく作られているので伝導率が低く、素手で持っても熱くないとされます。また、南鐐(銀)のような伝導率の高い金属は男性であっても帛紗を用いることとしています。何よりも安全第一だと思いますので、わたくしのお稽古場では熱い場合は無理せずに帛紗を使ってもよい、というように指導しています。お稽古をされるご流儀やお師匠様によって異なることがありますので、あくまで私見としてとらえてください。

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